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2005年9月12日

アナトゥール星伝 最終章!

ついに待ちに待ったアナトゥールの新刊が出ました!



この年になって講談社X文庫を買うのもなんだかなあとも思うんだけど、このシリーズだけはどうしても最後まで見届けないと気がすまないので買い続けてます。

殺伐とした世の中だからこそ、心温まるような話、水戸黄門のように『安心して先を見られる』ストーリーが読みたくなります。

このアナトゥール星伝もおそらく最後まで『安心して見られるストーリー』という姿勢が貫かれることと思っています。現実はそうは甘くないとは分かってます。でも、本の中ぐらいたまにはそんなストーリーに浸かってもいいのでは?なんて思います。(要は好きなんだな。単に。笑)



↓以下ネタバレです。(まだ読んでない人注意)

実は私、小説を買ったときにはたいてい最後のへんから読む人です(笑)かなーり邪道な読み方だなあとは思うんですが。まず最後のへんでどういうことになってるか確認してから、最初から「どこをどうしてそういう最後になるのか」というのを楽しみたいのです。要するに最後にどうなるっていうのを知っていれば覚悟を決めて読めるというか。

よく、小説でも映画でも「最後どうなるかは絶対に自分が読み終わるまで聞かせないで!」という人がいますが(というか私の周りの人はほとんどがこのタイプです)、そういう人にとっては信じられない読み方なんだろうな?(あはは)



今回、いつものようにまず最後のあたりを見たんですが、そのときにはかなりびっくりしました。

というか、全部読んだ今見ると、今回は上巻ということもあってか、多分この最後が一番核となる部分ではないかなと思います。

ユナちゃんの生命がアナトゥールを救う、という王子にとっても読者にとっても一番いやな展開。

どういう経緯でそうなるのか分かりませんが、このままだとユナちゃんは死んでしまいますね。

でも私はそうなるとは思っていません。希望的観測でもあるのですが。

だってそんなことをしてアナトゥールを救っても多分アナトゥールでユナちゃんが関わった人々は全然喜ばないと思うし。なによりそんな最後では夢も希望もあったもんじゃない。そんな小説を折原さんが発表するはずがないと思うんですよね。

折原さんの書かれる小説で、主人公格の登場人物が亡くなってしまう小説もあるけど、今までの話の流れとして、アナトゥールシリーズではそんな最後は見えてこない。

だって確かにユナの背負っているものは大きい。そしてユナはきっとアナトゥールのためならなんでも頑張れると思う。でも、そんな自己犠牲はユナには似合わない。

マルタさんに「なにがあっても生きることをあきらめちゃダメ!」と言ったユナと、「あたし、アナトゥールのためにできることがあるみたい」というユナが同一人物とは思えない。そんな弱気な言葉は似合わない。

生きて幸せになる道を最後まであがいても探してほしい。

何よりこのまま黙って王子がユナを死なせるわけないよね?(笑)それに、あとがき見ると沙夜もアナトゥールに来そうな感じだし、そのへんも見ものですね。

アナトゥールという世界を創ったルマイラだって人間だし、ルマイラが読めない未来だってきっとあると思う。それを大いに期待!



というわけで、とっても続きが気になるんですが、続きの下巻は1月発売。

ううう。待ちましょう。

とはいえ、シリーズの続きを何年待っても出さない作家さんの多い中、1月までの間なんてちょろいもんです(笑)折原さんはちゃんと計画的に書いてくれるのですばらしい(もちろん1ヶ月延びちゃった、とかぐらいならあるけど)。いろんな活動もされてるのにすごいですよね!





作家さんの中には、書いてる途中で何年も放ってあるシリーズを持つ方なんかもいて、商業誌でそれはないんじゃないのー?と思っちゃいます。

全ての小説の更新が止まっているのなら体調が悪いのね…とかある程度は納得できる場合もあるんですが(十年単位になるとそれでもさすがに嫌気が差しますが)、他のシリーズをバンバン出してて、そのあとがきですら止まってるシリーズに対して全く一言もなし、というのが一番頭にきます。趣味で書いてるならともかく、それでお金もらってるんだから、あとがきで謝るぐらいの誠意は見せてほしいものです。

(某T氏とかね。今書いてるシリーズ売れてるみたいだけど作者の態度がそれだから全く読む気がしない。あとがきだけは、何か一言ないかなってしつこく確認してるけど。だってあのシリーズ好きだったんだもの…涙)