●この記事は別のサイトで掲載していたものを移したものです。
このシリーズは、今読み直すととてもとても深いですね(^^;)
…ここの巻の主役は誰かと考えると、忍様のような気もしますが(忍様の独白から始まるし)…でも、やはり「ディアーナ」冴子ちゃんが1番の鍵となりますよね。ここでは、それまで謎だった冴子ちゃんの正体が明らかになったりする…。(初めて読んだとき、途中で、もしかして冴子ちゃんが九那妃か!?と思わせる場面もあってはらはらさせられたことを覚えています。)忍様の妹にして妻となるべき者…。本家が狂ってる…ってことが初めて話に出てくるのもこの巻ですね。(確か)
今回、1番見ていて安心できたキャラ…それは希沙良です。彼の存在はあの状況において救いでしたね。
そして、今回の1番不幸者(笑)諒ちゃん。諒ちゃんと亮介とのやりとりが、すごく印象に残ります。お互いにすごく大事に思ってるけど、大事にし方がすれちがってばかりいて…。
それにしてもせん司の熾炎斬に3度もやられて1度死んだという…。そのあとの苦しみようもとても痛々しかったです…。いつもながら哀れ(^^;)でも生きててよかった。しかし、未だになぜ諒ちゃんは冴子がいなくなっても大丈夫で亮介がいなくなると慌てるのがなぜだかはっきりと分からない…。誰かこんな私に説明して下さる方、いらしたら、お願いします(^^;)
そして十九郎。
亮介に、昔の忍様のことをタクシーの中で語るシーンがあって…その時の妙なノリがすごく好き。十九郎は本当に忍様が好きなんだなぁって思う。希沙良への気持ちとは違った意味で。で、この頃は今よりももっと純粋な気持ちで好きだったんだと思う。このディアーナで十九郎の忍様への思いは微妙に変化したけれど…。
最後に忍様。
本家の檻を破って、解放を得る代りに戦うことを選んだ忍様というのが初めて明らかになって…。それでも彼の背負っているものは大きすぎて…。
時折伽羅王が出てきて忍の意識とせめぎ合う。それが今になるとすごく痛々しい。初めて読んだときには、どれが忍様自身でどれが伽羅王が前面に出てきているの言動なのか訳がわからなかったけど、今ならほぼ分かる。
「忍はその窓外を見遣り、続いて自分の指に目を落とした。自分が牙に何を言ったのかすぐには思い出すことができなかった。」【前編:P.175】
というシーンはすごく印象深いです。
忍様は全能神にはなりえないし、また、なってほしくもない。忍様は忍様のままでいてほしいと切に願わずにいられないです。
斎伽忍で有りつづけるために、十九郎にまで「今までのことは実戦の演習だっあた」とウソをつく忍様…。このシーン…ほんと、痛い(><)
「楽な自己犠牲に逃げるのも弱さだよ」という十九郎の言葉が頭から離れません。忍様にも言ってやって、十九郎!って気持ちになる(笑)
■Favorite Scene
忍はいたずらっぽく微笑してみせる。
「----忍様って、イジワルかもっ」
「知らなかったのかい」
「知ってましたけどっ」
【前編:P.17】
今考えれば、兄妹の微笑ましい会話♪(初めて読んだときには、こ、この二人ってあやしい!!って思いましたけど。笑)冴子ちゃんは、忍様と一緒にいたかったんだよねぇー(^^)
忍様と冴子ちゃんは兄妹だけど、本家にいたころ…、忍様が独立宣言をする前はきっと普通の兄妹のようには過ごせなかったんだと思う。だから、冴子ちゃんも今から、お兄さんに甘えているのかも…って思います。
「俺を殺す気か馬鹿野郎っ!!本っ気で内臓ぶっつぶれんだからな俺の場合っ!!責任をとれっ、三日分の俺の寿命を返せっ!!」【後編:P.35】
これはもう…十九郎にしてやられる希沙良。なんかおかしい。この二人の関係がほんとによく表れてると思う。緊迫した状況の中、ふとホッとさせられるひとコマですね(^^)
「忍さんは……諒を、見殺しに、したんですか?」
(中略)
だが亮介にはわかるような気がした。思い上がりかもしれなかったが、それでもわかるような気がしていた。忍の……それは、驚愕ではないだろうか。
【後編:P.133?134】
亮介ちゃんの考えは、本当に嬉しい。私が忍様に抱く思いも、彼が万能だからではなく、万能ではないからこそ、すごくほっておけない、という方が強い。そういう意味で亮介のこの考えにはすごく共感できる。
それと、【後編:P.216】の冴子ちゃんと諒のラブシーン!あまりないから
イメージするととてもきれいだよね…。
■Myツボ押しWords
単に断りそこねたとか……ああ、今のはオフレコ【前編:P.100】
忍がなぜモデルをやってるのかを尋ねられて答える十九郎の言葉(笑)
おまえ、俺がひとりでメシ食ってもいいわけか!?消化に悪いだろ、そんなのはっ!【後編:P.23】
良く考えるとめちゃくちゃな希沙良の亮介に対する言葉。でも、あの場面には本当にこんな希沙良が嬉しい(笑)
努力だけではどうにもならない実力差というものがわかるか、崎谷くん……君は、そういう格差をすべて超越した所にいるから、そうやって可能性さえ簡単に捨ててしまえるんだ。それこそ残酷だ……【後編:P.93】
これは十九郎の真実だと思う。彼が亮介に抱いている思いはけしてきれいなものだけじゃない。そして…それは忍様に対しても同じではないかと思ってしまうのは私だけだろうか…?
【後編:P.270】みんながバラバラでどうしたらいいか分からない、という亮介に亜衣が返す言葉。
亜衣ちゃんは術力はないけれど、時として本当に鋭くついたことを言う。逆に術者じゃないから見えることってのもあるし…。亮介の彼女が亜衣ちゃんでよかったなぁ、って思う。