ヘヴンズ・クライン
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今回のオーラバは読んでいてホッとできるシーンが多かったですね。彼らの新たな出発---そんな作品でした。十九郎は西城くんという、言って見れば、斎伽のしがらみとは全く関係のない人に、自分の関わっているものの一部を明かすことになるのですよね。…そして、「デュナミス」では、亮介の新たな生活が始まって…。そして、ハツリという女性に、これもまたやはり自分のかかわっているのものの一部を見せている…(私はそう思う)。---こうして見ていくと、これから、少しずつ、ある意味閉鎖的だった術者たちの世界が広がって行くのではないかな、と思わせられました。どんな自分でも、受け入れてくれる人はいる。もちろん、受け入れてくれない人もとても多いのだけれど…。それには自分も心を開いていかなければ、何も始まらないのだろう…。本当の自分を見せることは、時にはとても勇気の要ることがある。私は私、そんな風に思ってはみても、やはり一人はいやだし、大切な人であればこそ、その人を失いたくないからこそ、臆病になってしまう自分がいて…。そんなことは人間として当たり前だと思う。それは十九郎もたち同じ。けれど、私は、その勇気を出して新しい世界に踏み出すときっていうのは必要なんじゃないかって思ったりする。特殊だから、同じだからということで固まって傷をなめあうこともある時期には大切だけど、やはり人はいつしかオトナになっていくのだし自分たちの世界だけじゃいられなくなる…。少しずつ、それぞれが心に負った傷が、オトナになる過程で癒えていくといいな、と私は思います。その意味では一番希沙良がその域に近いかな。それに亮介ががんばって続いているかんじ。
(あ?なんか今回の私の文章ってちょっと理屈っぽい^^;)